札幌産後ケア教室

「仕事が好き」という育休女性の悩み

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この数ヶ月の産後ケア札幌教室や、産前・産後のセルフケアオンライン教室で、

何度も目にしている場面があります。

 

それは、育休中の女性が、「私は仕事が好き」

「はたらいて人の・社会とつながることや、誰かの役に立つことに、喜びを感じる」

と真っ直ぐに話してくれる場面。

 

 

これは、「産後も自分の人生を生きる」を表す、真っ直ぐで真摯な言葉だなあとおもいます。

 

でも、「仕事が好き」「はたらきたい」と話した後に、

「私の『はたらきたい』の意志を大事にすることが、家族に負担や我慢を強いるんじゃないか?」

という言葉も出てくるんです。

 

 

そう、子ども・家族のことも、やっぱり気に掛かるもの。

できれば自分以外の誰かに我慢や悲しいおもいをさせたくないし、

自分も子ども・家族もいい状態で「子育てしながらはたらく」生活をしていきたいんだとおもいます。

 

そこで、産後ケア教室でこういう話題が出た時、私はこんな風に自分のおもいを伝えています。

 

子どもを産む性の私たちは、愛情だけでなく、子どもに責任も感じてしまう。

もしかしたら、ちょっと背負いがちなぐらいに。

でも、よく考えたら、子どもは私だけのものじゃない。

パートナーがいるのなら、子どもは夫婦二人にとって大切な存在。

 

愛情も責任も、ほんとうは、二人で一緒に与えたり、引き受けたいものですよね。

 

だから、女性だけが「家事も育児も仕事も一体どうやって…」と一人で抱え込んだり、悩まなくていい、

「夫婦で一緒に『子育てしながらはたらくこと』を考えたい、向き合って欲しい」と

パートナーに胸を張ってリクエストしていいことなんだとおもいます。

 

そしてこういう時、社会全体で子育てしながら働くことを支援する制度やムードが

もっと一気に高まったら、どんなにいいか!とおもってしまいます。

 

でも、職場や社会の「家事育児は女性が…」の認識や価値観の変化のスピードは遅すぎて、

それが変わるのを待つだけでは、私たちはおばあちゃんになってしまうし、

その間だって、自分の我慢や悔しさだけがどんどん募っていってしまうんですよね。

 

ただ、社会や制度を直接は変えられなくても、一番小さな単位の、「夫婦」「家族」からなら、

自分の希望を伝えて、少しずつ変化させていけると、私は信じています。

 

たとえば、自分の仕事のこと。

「今こんな仕事をしているんだ」とか、

「この仕事で、地域社会にこんなインパクトを生み出したい」とか、

「こんな風に人の役に立ちたい…」とか、自分の仕事へのおもいや熱意は、夕飯食べながらや、

週末のドライブの帰りにでも、10分・数分あれば夫に伝えられる。もちろん、子どもにも。

 

それを何度もくりかえし伝えていると、「仕事がどれだけ妻にとって大事なものか?」を、

なんとなくでも理解してくれるようになる。

そうしたら、子どもが発熱したり、トラブルがあった時も、

お迎えは妻任せ・オレは仕事だから無理だよ!じゃなくて、

「あなたの仕事は大丈夫?」と、夫も自分ごととして捉えられるようになっていく。

 

たとえ、発熱した子どもを実際に迎えにいくのが自分自身でも、

夫から「あなたの仕事は…?」「ありがとうね」と自分と仕事のことを気遣ってくれる

一言があるのとないのでは、責任感や負担感、パートナーへの信頼やおもいも、全く違ったものになりませんか?

 

 

それを、もしここで、「夫の仕事に支障が出ないように」「迷惑をかけないように」と

自分一人で抱え込んで、対応して、全て終わった後に、

「今日子どもが熱を出してね、大変だった…」と事後報告だけを続けていたら、

夫はきっと永遠に、「子育てしながらはたらく困難と葛藤」を知ることも、

想像したり考える機会ももてないとおもうんです。

 

 

だから、女性の「夫に迷惑をかけないように…」の過剰なやさしさや配慮は、

夫を子育ての蚊帳の外・戦力外メンバーにしてしまうことにもなりかねません。

 

もちろん、「一生懸命話しても、夫にちゃんと聞いてもらえないかも知れない」

「自分の考えや価値観を否定されたら、嫌だな」の不安を感じることもあるかも知れないし、

自分のおもいや希望を伝えるのに、勇気がいるかも知れない。

 

それでも、自分がありたい姿や、こんな夫婦家族になっていきたい…という希望があるのなら、

産後ケア教室で話してみたことや、感じたことを、ぜひパートナーにも

伝えてみて欲しい。

 

1回で伝わり切るものでもないし、おもいも希望も変化し続けていくから、

諦めずに何度でも繰り返して。

 

 

そして、そんな風に「仕事が好き」とまっすぐに言える母親って、

成長していずれはたらく子どもにとって一番のお手本になると思う。

 

社会で自分の力を発揮してはたらくことや、それで人の役に立ち対価や自信を得ることはいいものなんだよ、と、

行動や姿勢や言葉で、日々子どもに自然に伝えることになるんだとおもいます。

 

ウチの子どもたちもも、「母さんは仕事が好きだよね」「頑張ってね」と応援してくれています。

夫もお互いの仕事の分野は全く違うし、理解しきれない部分もあるけれど、

それでも「あなたの仕事は社会に必要な仕事」「すごいね!」と応援やアドバイスも寄せてくれる。

そんな家族からの応援があるとますます、もっと仕事をがんばりたい!と思えるんです^^

 

 

 

産後ケア教室の対話は、「大人の話をする時間」。

この時間が、産後のみなさんがそれぞれの希望や価値観や葛藤を表現して、

ほんとうに自分が望む生き方や関係性を築いていくきっかけになれたらいいなぁ…と思っています。

 

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  • この記事を書いた人

永野間かおり

認定NPO法人マドレボニータ産後セルフケアインストラクター。「産後のピンチを『チャンス』に変える」を軸に、産後ケア札幌教室と、産後セルフケアオンライン教室(全国)を開催。自治体/保健師・助産師など専門家向け講座の講師も務め、述べ受講者数は2,800名を超える。札幌在住、1978年生まれ、小中高生3男子の母。

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