「産後、話そうとするとどもるようになってしまって。
話したいのに、うまく言葉が出てこない。
こんなの私だけなんじゃないかな?って不安で・・・」
産後ケア札幌教室で、そんな風に話してくれた参加者の方がいました。
これ、決してめずらしいことじゃありません。
今までに何人もの産後女性から、同じような声を聞いています。
私自身も、産後に言葉がつっかえたり、
おもうように話せない経験をしたことがあります。
「産後だから寝不足で頭がはたらかないし、仕方ないよ」
「今だけだよ、そのうち元通りになるよ」
そう周囲になぐさめられても、やっぱり本人にとっては切実だし、不安にもなります。
産後にどもったり、思うように話せない理由の一つは、
産後に赤ちゃんと家にこもりがちになって、「大人と話す機会」が激減してしまうことです。
人って、使わないスキルはどんどん鈍っていきます。
大人と話していないと、いざ話そうとしても、
話したいことを言葉でまとめられなくなってしまう。
して焦ったり、どもったり、言葉が出てこない・・・という状態に、
産後なら誰でも簡単になり得るんです。
その人の性格とか資質が原因じゃないし、産後女性が悪い訳ではありません。
じゃあどうしたらいいか?というと、答えはすごくシンプルです。
「私は」と自分を主語に、考える時間をもつ。
それを大人同士で話す・聞く機会をもてばいいんです。
産後ケア教室の後半は、コミュニケーションワークの時間です。
ご参加者同士がペアになって、話す・聞く時間を設けています。
最初は30秒から、次は3分…と、時間を区切って自分の言葉で話していただきます。
「まとまらなくてもいい、支離滅裂でもいい、話があっちこっちに飛んだって、
沈黙の時間があっても構いませんよ」とお伝えしています。
話し手は、今、頭に浮かぶことや、感じていることをとりとめなく自由に話します。
聞き手の方は、口を挟まずに、最後までじっくり聞き届けます。
ね、すごくシンプルでしょう^^?(だからこそいろんな効果があります☆)
最初は戸惑ったり、緊張する産後のみなさん。
当然ですよね!
だって、産後女性が普段周りから聞かれるのは「赤ちゃん」のことばかりだから。
赤ちゃんの話題で話す成長や発達具合は「情報」や「状態」。
一方、産後ケア教室で考えたり話すのは、
今感じているオリジナルな「おもい」や「感情」、「悩み」や「希望」です。
それを言語化するのだから、それはそれが、想像以上に脳が刺激されて活性化するんです。
話し終えた後のみなさんの表情は、なんだか嬉しそう^^
「ママ以外の『自分』を取り戻した感覚!」
「産後はじめて自分のことを考えたかも知れない!
「産後の思考にスイッチが入った!」
コミュニケーションワークに取り組み、そんな感想を伝えてくれる方もいます。
そんなていねいな自己表現とコミュニケーションを毎週積み重ねていくと、
誰もが少しずつ、自分のおもいを言葉で表現できるようになっていきます。
最初は「上手く話せない、言葉が出てこない…」と言っていた方ほど、
その変化を実感するようです。
また、「コミュニケーションワークで考えたり話した話題を、
帰宅してからパートナーともじっくり話してみた」という方もたくさんいます。
そうやって夫婦で「赤ちゃん・子育て以外」のお互いのことを話せたことがうれしくて、
自信にもなる。
産前のような夫婦2人の時間を取り戻したよろこびも、これまでにたくさん聞いています。
すると今度は、
「子育て中だからこそ、これからも意識して『夫婦で対話』する時間を大事にしたい」
そんな希望が湧き上がります。
週末、子どもを寝かしつけてから、お茶を飲みながら夫婦で話してみたという方。
また、子どもを預けて夫婦でランチに出かけてみたという方。
そんな風に、コミュニケーションの時間をとろうとする行動につながります。
赤ちゃんが生まれて、もちろん幸せ。
でも、産前とは違う自分に戸惑ったり、
不甲斐なさを感じて落ち込んだりするのも、
産後女性のリアルです。
そんな時は、どうか自分を責めずに、
「わたし最近、誰か大人と話したかな?」
「自分自身のことを考える時間、あったかな?」
と普段のコミュニケーションを振り返ってみるチャンスです。
子育ても、子育てしながらはたらくことも、
決して母一人のチカラではできません。
パートナーや他人と言葉を交わすコミュニケーションと、
そこで自分の意思や気持ちを伝える言葉が必要。
産後ケア札幌教室は、産後のコミュニケーションへの意欲や力を取り戻すサポートもしています。
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